スキンブースターの種類と選び方——リジュラン・ジュベルック・水光注射の違い
肌の調子を整える注射を調べていくと、リジュラン・ジュベルック・ジャルプロ・プルリアル・水光注射と名前が並び、どれを選べばいいのか分からなくなる——という声をよくうかがいます。
名前が横並びに見えて混乱しやすいのですが、実はここには「何を入れるか(薬剤)」と「どう入れるか(入れ方)」という2つの軸が混ざっています。このページでは、その2軸を分けたうえで、当院で扱う製剤の違いと選び方を一般的な医学情報として整理しました。
そもそもスキンブースターとは
スキンブースターは、ヒアルロン酸・アミノ酸・ポリヌクレオチドといった成分を、注射で直接肌に届ける治療の総称です。「肌育注射」と呼ばれることもあります。
ヒアルロン酸注入が、しわの溝や失われたボリュームを内側から補って輪郭を整えるのに対し、スキンブースターは肌そのもののうるおいやハリに働きかけることを目的としています。乾燥やキメの乱れ、小じわ、毛穴といった「肌の調子」に関わる部分が対象です。
混同されやすいのですが、リジュラン・ジュベルック・ジャルプロ・プルリアルは薬剤(製剤)の名前、水光注射は入れ方の名前です。
そのため「リジュランか水光注射か」という比べ方は、実は成り立ちません。同じリジュランを手打ちで入れることも、水光注射で入れることもできるからです。
まず薬剤を4つ並べ、そのあとで入れ方の話に進みます。
4つの製剤の違い
当院で肌質に向けて用いる代表的な製剤は、大きく次の4つに分かれます。主成分と、向いている悩み・通う間隔・ダウンタイムの傾向を並べてみます。
| 製剤 | 主成分・向いている悩み・持続の考え方・痛み・ダウンタイム・通う間隔の目安 |
|---|---|
| リジュラン (PN/サーモン由来) | 主成分サーモンのDNAから抽出したPN(ポリヌクレオチド) 向いている悩みハリ・弾力の低下、乾燥、目もとの小じわ、キメ 持続の考え方1回で完成するものではなく、回数を重ねて積み上げていく考え方です 痛み・DT注入時にチクッとした痛み。直後は赤み・ふくらみ。多くは数日で落ち着きます 通う間隔の目安3〜4週ごとに3〜4回が一区切り。その後は3〜6ヶ月ごとに1回 |
| ジュベルック (PDLLA/ポリ乳酸) | 主成分ポリ-D,L-乳酸(PDLLA)+担体としての非架橋ヒアルロン酸 向いている悩み毛穴の開き、ニキビ跡の凹凸、ハリの低下、細かな小じわ 持続の考え方ポリ乳酸は体内で少しずつ分解・吸収されるため、変化は数週間かけて現れるとされます 痛み・DT注入部位の痛み・内出血・赤み・腫れ。多くは数日程度 通う間隔の目安3〜4週間隔で3〜5回(およそ2〜4ヶ月)が一区切り |
| ジャルプロ スーパーハイドロ (HA+アミノ酸) | 主成分非架橋ヒアルロン酸+7種のアミノ酸・3種のペプチド 向いている悩み乾燥、うるおい不足、ハリの低下。顔または首に用います 持続の考え方注入した成分は少しずつ吸収されるため、続けて積み上げる設計です 痛み・DT注入部位の痛み・内出血・赤み・腫れ。多くは数日程度 通う間隔の目安3〜4週間隔で3〜4回が一区切り |
| プルリアル デンシファイ (PN+HA) | 主成分ポリヌクレオチド+非架橋ヒアルロン酸+マンニトール 向いている悩みハリ・うるおいの両方を兼ねたい方。顔全体(目の下を除く)・首・デコルテ・手の甲 持続の考え方マンニトールはヒアルロン酸の分解を抑える目的で配合されています 痛み・DT注入部位の痛み・内出血・赤み・腫れ。多くは数日程度 通う間隔の目安3〜4週間隔で3〜4回が一区切り |
いずれも「入れて終わり」ではなく、回数を重ねて積み上げていく考え方の施術です。効果や経過、持続には個人差があります。魚・魚卵にアレルギーのある方は、サーモン由来の成分を含む製剤をお受けいただけません。
「水光注射」は薬剤ではなく入れ方
水光注射は、極細の針を並べた機器で顔全体に少量ずつ薬剤を届ける入れ方の名前です。手で一箇所ずつ注入する方法にくらべ、広い範囲を均一に入れやすいのが特徴とされています。
入れる薬剤は選べます。当院ではリジュラン・ジュベルック・プルリアル デンシファイのほか、スネコス パフォルマ、リズトックスからお選びいただけます。つまり同じリジュランでも「手打ち」と「水光注射」の2通りがある、という関係です。
- 水光注射(機器・看護師施術):顔全体を均一に。ムラが出にくく、質感の底上げに向きます。表面麻酔が料金に含まれます。直後は針あとの点状の赤みが顔全体に出ますが、多くは翌日から翌々日にかけて落ち着きます。
- 手打ち(医師施術):気になる部位を狙って。深さと量を細かく変えられるため、目もとやほうれい線まわりなど狙いがはっきりしているときに向きます。
もうひとつ、ブレッシング(DRSモード)という届け方もあります。極細の針から高周波を流したうえで薬剤を注入する機器で、ジュベルックやプルリアル デンシファイを全顔に届けたいときの選択肢です。
選び方の考え方
結果を左右するのは、どの製剤名を選ぶかよりも、気になっている悩みの内訳に製剤の性格が合っているかどうか——一般にそう考えられています。おおまかな道筋は次の通りです。
- ハリ・弾力の低下、目もとの小じわ、乾燥が主体の方 → PNを主成分とするリジュランが候補になります。
- 毛穴の開きやニキビ跡の凹凸もあわせて気になる方 → ポリ乳酸を主成分とするジュベルックが候補です。
- とにかく乾燥・うるおい不足が気になる方、首やデコルテも整えたい方 → ジャルプロ・プルリアルなどのスキンブースター注射が向くことがあります。
- 顔全体の質感をまとめて底上げしたい方 → 面で均一に入れる水光注射という入れ方が向きます。
- こけ・くぼみなど輪郭の「しぼみ」が主体の方 → 肌質の注入より、ボリュームを補うヒアルロン酸注入が向くことがあります。
実際には、乾燥・毛穴・ハリのいくつかが重なっていることがほとんどで、鏡の前での自己判断は思いのほか難しいものです。
当院でなくても構いませんので、悩みの内訳を医師に診てもらってから製剤を選ぶ——その順番だけは、確かめていただければと思います。
よく比較される組み合わせ
実際に迷われることが多い3つの組み合わせについて、違いを整理します。
- リジュランとジュベルックの違い:主成分が違います。リジュランはサーモン由来のPN、ジュベルックはポリ-D,L-乳酸(PDLLA)です。ハリ・小じわ・乾燥といった「肌の調子」寄りの悩みにはリジュラン、毛穴の開きやニキビ跡の凹凸といった「土台の質感」寄りの悩みにはジュベルックをご提案することが多くなります。両方が重なる場合は、時期を分けて組み合わせることもあります。
- リジュラン・ジュベルックと水光注射の違い:比べる軸が違います。前の2つは薬剤、水光注射は入れ方です。「顔全体の質感をそろえたい」なら水光注射、「狙いたい場所がはっきりしている」なら手打ちが向きます。どの薬剤を水光注射で入れるか、という組み合わせで考えます。
- スキンブースターとヒアルロン酸注入の違い:目的が違います。ヒアルロン酸注入はへこみやこけに立体感を足して輪郭を整える施術、スキンブースターは肌そのものの質を整える施術です。「輪郭を変えたい」のか「肌の調子を底上げしたい」のかで分かれます。
なお、毛穴やニキビ跡が主体の場合は、注入ではなくモフィウス8のような機器の治療が向くこともあります。注入だけで考えず、機器も含めて比べていただくのが確実です。
回数・間隔の目安
いずれも1回から受けていただけます。集中的に整える場合の一区切りは、製剤によって次のように変わります。
- リジュラン:3〜4週ごとに3〜4回(およそ3ヶ月)が一区切り。その後は3〜6ヶ月ごとに1回を目安に続ける方が多くいらっしゃいます。
- 水光注射:2〜4週ごとに3〜5回(およそ2〜4ヶ月)が一区切り。その後は1〜3ヶ月ごとに1回が目安です。
- ジュベルック:3〜4週間隔で3〜5回(およそ2〜4ヶ月)繰り返す方法が製造販売元・文献で示されています。当院で継続されている方の来院間隔は約1ヶ月です。
- ジャルプロ・プルリアル デンシファイ:3〜4週間隔で3〜4回が目安(メーカー・文献)。当院で継続されている方の来院間隔も約1ヶ月です。
ほかの施術と組み合わせる場合の間隔は、施術間隔の早見表にまとめています。実際の回数・間隔は、肌の状態と経過を見ながら診察でご提案します。
ダウンタイムと主なリスク・副作用
注入する治療に共通する主なものは、次の通りです。
- 主なリスク・副作用:注入部位の赤み、腫れ、内出血、注入時の痛みなど。多くは数日程度で落ち着きます。
- 水光注射では、針あとの点状の赤みとふくらみが顔全体に出ます。多くは翌日から翌々日にかけて落ち着きます。
- まれに起こるもの:しこり(結節)、色素沈着、感染、アレルギー反応、血管内注入による皮膚障害など。
- 内出血が出た場合は1週間ほど残ることがあります。大切なご予定の前は、1週間ほど余裕をみてご予約ください。
当日はメイクをせずにお帰りいただき、翌日からは通常どおりで構いません。効果や経過には個人差があります。
サーモン由来の成分を含む製剤があるため、魚・魚卵のアレルギーは診察の際に必ず確認します。妊娠・授乳中かどうか、内服中のお薬、これまでの美容治療歴も、事前にお知らせください。
費用の考え方
いずれも自由診療(保険適用外・税込)です。費用は製剤・注入量・入れ方(手打ちか機器か)・麻酔の選択で変わります。同じ製剤・同じ量でも、手打ちと水光注射では料金の設定が異なります。
製剤ごとの料金は、各施術のご案内に掲載しています。予約ページに表示される料金が、その月の実際のご案内料金です。
※当院が用いるリジュラン、ジュベルック、ジャルプロ スーパーハイドロ、プルリアル デンシファイなどの注入製剤と、水光注射に用いる機器ハイコックスは、いずれも医薬品医療機器等法上の承認を受けていません。同一の成分・性能を有する国内承認品はありません。
当院の対応施術
当院では、肌質に向けた注入として次の施術をご用意しています。どれが合うかは悩みの内訳によって変わるため、診察で肌を拝見したうえでご案内します。
- リジュラン:サーモン由来のPNを真皮に届けます。ハリ・小じわ・乾燥が気になる方に。(リジュランの詳しいご案内)
- ジュベルック:ポリ-D,L-乳酸(PDLLA)を肌の土台に届けます。毛穴・ニキビ跡の凹凸が重なる方に。(ジュベルックの詳しいご案内)
- スキンブースター注射(ジャルプロ・プルリアル):医師の手打ちで、うるおいとハリを補います。(スキンブースター注射の詳しいご案内)
- 水光注射(ハイコックス):機器で顔全体に面状に。薬剤は複数からお選びいただけます。(水光注射の詳しいご案内)
- ブレッシング(DRSモード):高周波を流したうえで薬剤を全顔に届ける機器です。(ブレッシングの詳しいご案内)
毛穴のタイプ分けは毛穴タイプと治療選び、小じわは小じわ・ちりめんじわの教科書、ニキビ跡の凹凸はニキビ跡(クレーター)の教科書、回数・間隔は施術間隔の早見表にまとめています。
施術が決まっている方はWEB予約から。「どれが合うのか分からない」という段階のご相談も歓迎です。
診察で相談して決めたい方は、施術を含まない肌診断付き医師カウンセリング(30分・¥3,000/税込)をご利用ください。予約前の簡単な質問は公式LINEで承ります。
当院は自由が丘駅から歩いてすぐの場所にあります。道順はアクセス・道順のご案内をご覧ください。
よくあるご質問
リジュランとジュベルックは、何が違うのですか?
水光注射は、リジュランやジュベルックとは別の施術ですか?
スキンブースターとヒアルロン酸注入は、どう違いますか?
何回くらい、どのくらいの間隔で受けるものですか?
ダウンタイムはどのくらいですか。メイクはいつからできますか?

2017年、東邦大学医療センター大森病院 消化器内科。2021年に美容医療へ転じ、複数の美容クリニックで診療にあたってきました。
2024年から都内美容外科クリニックの理事長・院長を務め、医師への技術指導も担当。2026年5月にUB CLINIC 自由が丘を開院しました。
診察・施術設計は医師が行っています。当院で扱う機器や製剤は、院長自身が選定しています。
院長紹介を見る →参考情報・ページ作成主体
記載の施術はすべて自由診療(保険適用外)です。効果・経過・持続には個人差があります。
施術に伴う主なリスク・副作用・注意事項は、各施術の詳しいご案内と診察時にご説明します。
本ページの掲載内容は一般的な医学情報であり、診断に代わるものではありません。気になる症状がある場合は、医師の診察をご利用ください。
